叶う。 Chapter1



「携帯の操作で分からない所があるの。時間がある時でいいんだけど、教えてくれる?」

「ん?アンナが携帯いじるなんて珍しいじゃん?どうした、彼氏でも出来たか?」


レオンはそう言って、ケラケラ笑う。
何だかちょっとだけバカにされた気分だったけれど・・・


「いつでも教えてあげるよ。」


レオンはそう言って優しく笑ってくれたから、私は素直にありがとうを言って、リビングを出た。


急ぎ足で自分の部屋に向かうと、クローゼットから着替えを取り出して、少しよそ行きの服に着替える。

私は普段ほとんど家で過ごしているので、服とかに無頓着だった。

基本的に部屋着だったり、大きめのパーカーやニットにレギンスだったりと、そんな感じだ。


だけれど、たまにこうして出掛けることもあるので、そういう時はそれなりに綺麗にしていたいから、時々ママのお休みの日に一緒に買い物に行っては、服を選んで買ってもらう。


ママに任せておけば、こんな私でもそれなりにおしゃれに見える。
ママは人に似合う物を見つけることが、とても上手い。






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