叶う。 Chapter1
相変わらず静かなリビングで、私は牛乳を温めてホットミルクを作った。
そしてダイニングテーブルに備え付けられている引き出しの一番上を開けると、中から薬の紙袋を取り出す。
その袋にはきちんと“月島 叶”様と書かれている。
その中から、違う種類の錠剤を3つほど取り出す。
小さい頃から色々な薬を飲まされているので、もうどれがどの薬なのかは見るだけで把握出来てる。
私はそれを指先で掴むと、一つずつゆっくりと口に含む。
そして手にしたマグカップに入ったホットミルクでそれを胃に流し込む。
喉から流れ込む温かいミルクに、身体がぽかぽかと温まった。
薬はあまり好きじゃない。
フラフラするし、頭が痛くなったりする。
だけれど、人間の身体は睡眠をきちんととれないと、脳がきちんと働かない。
何でもない日なら、一日ぼーっと過ごせばいいんだけれど、明日はどうしてもちゃんとしていたい。
30分もすれば効いてくるはず。
私は薬が完全に効くまでに、丁寧に歯を磨いて、部屋に戻って髪を梳かした。