叶う。 Chapter1
久しぶりに飲んだ薬は思ったよりも効きが早くて、私は髪を梳かしながら意識がふわふわと不思議な感覚に包まれていくのを感じた。
こうなってしまうと、もう何も考える事が出来ない。
私はフラフラする頭で、なんとかベッドまで辿り着きその中に潜り込んだ。
落ちていく意識の中、手触りの良い毛布に包まり、ゆっくりと目を閉じた。
・・・・・・・―――――。
不意にベッドの軋む音が聞こえた。
だけれど、私の意識は朦朧としていて目を開けることすら出来なかった。
何かが圧し掛かる体温を感じたけれど、それが夢なのか現実なのか分からない。
何かがそっと唇に触れる。
これは夢?
それとも幻?
・・・・・・・・・――――――。