叶う。 Chapter1




3人でテーブルに着くと、兄達は必ず手を組んでお祈りをする。
私もそれに習って、家族と一緒の時は同じように手を組む。

それはママの教えで、ママは毎週日曜は仕事がお休みなので、必ず教会に行く。
小さい頃はよく一緒に教会に行ったし、ミサにも参加していた。

だけど大きくなるにつれて、時間が合わなかったりして段々と行く回数も減ってしまった。
それは兄達も同じで、聞いてはいないけれどここ何年か教会に行っている雰囲気はない。

私は宗教には詳しくないのでわからないけれど、ママは私達にそれを強要しようとはしない。
だけれど小さい頃からの癖みたいなもので、いつもこうしてお祈りしてから食事をするのが私達の習慣だった。


「いただきまーす。」


お祈りを終えたレオンの声で、私も目を開いた。

そして小さくいただきますを言って、ナイフとフォークを手に取り食事を始めた。


「そういえば、ママは?帰ってきた?」


いつものように、向かいに座るレオンに声を掛ける。


「さぁ?俺らさっき帰ってきたからわかんない。」


レオンはミニトマトを器用にフォークに刺しながら、そう言った。


「そっか。」


私はそう言うと、目の前の食事に集中する。




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