叶う。 Chapter1




兄達と食事をするといつも思うことがある。

兄達はきっと小さい頃から、テーブルマナーをきっちり躾けられている。
私も引き取られてからは、きっちり教え込まれたけれど、それでもまだまだ兄達のように、器用に食事することが難しい。

兄達の食事の仕方は完璧で、見ていて惚れ惚れするほど綺麗に食事をする。

それは例え会話をしながらでも変わらなくて、優雅という言葉が良く似合う。


それとは真逆で、私は食事に集中しないと、直ぐにポロポロ溢したり、フォークから食べ物がずれたりしてしまう。

それでも元々酷い環境で育った私を、相手に不快感を感じさせないくらいに食事がきちんと出来るように教育してくれたママは本当に凄いと思う。

三つ子の魂百までなんて諺があるように、兄達を見ていると本当に小さい頃からの教育がどれほど大事な事なのか良く分かる。

特にレオンは普段はダラダラとしているけれど、オンとオフの切り替えがとても凄いし、その適応能力はすごい。


逆にシオンはいつでも完璧。
食事中は無駄話をしないで、ただ優雅に綺麗に食事をする。

なので、家族と食事する時はいつも気が抜けない。
もう今はだいぶ慣れたけれど、それでもやっぱり気を使ってしまうのだ。




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