叶う。 Chapter1
髪の長さがそもそも違うので、私の髪を巻くのは本当に時間のかかる作業だった。
だけれどしっかりと丁寧に髪を巻いた。
出来上がりは上々、仕上げに巻きが取れないようにきちんとスプレーして完璧に仕上げた。
支度が終わると、まだ時間はあるのに何故かドキドキする。
とりあえず、ピアノに出なきゃ行けない時間が近づいていたので、私はピアノの支度をすることにした。
楽譜やテキストがきちんと入ってる事を確認して、充電しっぱないの携帯を忘れないようにベッドへ取りに向かう。
ベッドに座って充電器から携帯を外すと、画面をつけて確認する。
すると、新着メールを知らせるランプが点滅していた。
私はドキドキしながら、すぐにそれを開いて確認する。
メールはもちろん凛ちゃんからだった。
“今日何時にどこにする?”
どこにすると聞かれても、普段遊びに出ない私にはどうしたらいいのか検討もつかない。
なので、私はしばらく迷ったけれど、こうメールを返した。
“ピアノが終わったら、荷物置きに家に一回帰りたいから、1時には家を出れると思う。普段あまり遊びに行かないから分からないの。凛ちゃんに任せても大丈夫?”
そんなことを伝えるのは恥ずかしかったけれど、なぜかメールを打つことは言葉で伝えるよりも、相手の顔が見えないから伝えやすい気がした。