叶う。 Chapter1
それに嘘を吐いたところで、遊ぶ事に慣れてない私の嘘なんて、すぐにばれるに決まっている。
だったら最初から恥ずかしい思いをしても、教えて貰った方がいいと思った。
メールを送信すると、直ぐに携帯が振動した。
“りょーかい!じゃあ、2時にかなうのとこの駅前でいい?”
“うん、大丈夫!”
“じゃあ、また後でね”
“うん、楽しみにしてる”
メールのやりとりは、すごくスムーズだった。
一昨日しっかり携帯の扱いを勉強しておいて良かったと心から思った。
凛ちゃんはメールを返してくるのがすごく早い。
もし勉強してなかったら、返信するだけでいっぱいいっぱいだっただろう。
とりあえず、無事に約束出来たことにほっとした。
時間はちょうど10時少し前だから、そろそろピアノに向かわないといけない。
私はピアノのバッグを持つと、携帯片手に部屋を出た。