叶う。 Chapter1



廊下を真っ直ぐ玄関に向かって歩いていると、勉強が終わったのか、ちょうリビングから、兄達が出てきて部屋に向かってるところだった。

兄達の部屋は、私とママの部屋からリビングを挟んだ反対側だったので、私は携帯を鞄にしまうとその後姿に声を掛けた。


「ピアノ行って来るね。」

「はーい、行って・・・・・」


私の声に二人同時に振り返った。
そして同時に私を見て、驚いた顔をして固まってしまった。


「・・・は?」


レオンは素っ頓狂な声を出して、私の姿を上から下まで眺める。
シオンはいつもと変わらないようだけれど、少しだけビックリした顔をしていた。


「は?・・・あーちゃんどうしたの?」


二人の驚いた顔に、私は一瞬不安になった。
いつもはこんなきっちりした格好をしてない私を見ているから、驚いたのだという事はわかるけれど、それでもこんなに反応されるとは思ってもみなかった。

ひょっとして、すごくおかしいか、似合ってないんじゃないかと不安になった。


「なんか。アンナじゃないみたい。」


レオンはそう言って、目を丸くしている。
やっぱり変なんだろうか?



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