叶う。 Chapter1




「・・・・おかしい・・かな?」

私は恥ずかしくて俯いた。
やっぱりママに選んで貰えば良かったと、後悔し始めた。

「いや、すげー可愛いよ。な?シオン?」

「・・・・あぁ。」

私はその言葉にゆっくり顔を上げた。
恥ずかしくて顔が赤くなるのが自分でも分かった。

「・・・本当に?変じゃない?」

それでも、念のためもう一度そう聞いた。
凛ちゃんにおかしく思われたくなかったし、もし兄達の反応がおかしかったら、帰って直ぐに着替えようと思った。

「いや、マジで可愛いと思うぞ。こんなに化けるとは思わなかったからビックリしたけどw」

レオンはそう言って笑った。
私はまだ不安が拭えなくて、シオンに視線を向けた。

レオンは基本お調子者なので、いつでも可愛いと言ったりするから、今日ばかりは信用出来ない。

シオンと視線が合う。
その視線はいつもと何も変わらない冷めた視線だったけれど、次の瞬間、シオンはゆっくりと静かにこう言った。


「・・・・良く似合ってる。」


その一言で、私は安心したと同時に更に顔が赤くなった気がした。



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