叶う。 Chapter1





ソルフェージュは聴音だけではなくて、視唱と呼ばれる楽譜だけを見て実際の音の高さで歌う訓練や、楽典と呼ばれる譜読みに必ず必要な基本的な音楽理論について勉強したりする。

それは勉強と同じで様々な事を学ばなければいけないのだけれど、私は何故かピアノのことになると身体が自然に受け入れる。

勉強はどんなに繰り返しても、覚えるのは難しいけれど、ピアノについていえば、自然と吸収出来るという表現がぴったりかもしれない。



2時間のレッスンは、あっという間に終わった。

今日はいつもより落ち着きがない、と先生に一度注意をされたけれど、私は出された課題を全てノーミスで終わらせる事が出来た。

きちんと先生にお礼を言って、ピアノ教室を後にする。




帰り道はとても気持ちの良い日差しに包まれていて、私は何だかとても良い事が起こりそうな気分だった。
今日一日がとっても素敵な日になりますように。

私はそう願って空を見上げた。




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