叶う。 Chapter1



凛ちゃんからの返信はやっぱりすごく早かった。
時間にしたら多分2分くらいだと思う。


“そうなの?実はもう駅前のビルに居るんだ!今から来れる?”


凛ちゃんが駅ビルに居る!
私は大慌てで昨日ママから貰った鞄を引っつかんで部屋を出た。


“今から直ぐに行くね”

私はそうメールを返して、携帯を握り締めたまま家を飛び出した。

ドキドキが治まらない。


“ゆっくりで良いから、転ぶなよw”


大急ぎで歩いている途中で、また凛ちゃんからメールが来た。

私はそれには返事をしなかった。


もう目の前に駅ビルが見え始めていたからだった。


信号を待つのも何だかもどかしい気分になってしまう。

信号が青に変わった瞬間、人で混み合う交差点をぶつからない様に避けながら歩く。


もう目の前に迫った駅ビルの入り口に、携帯を手に俯いている見慣れた姿を見つけた瞬間、私は更にペースを上げて駆け寄った。









< 197 / 452 >

この作品をシェア

pagetop