叶う。 Chapter1
凛ちゃんからの返信はやっぱりすごく早かった。
時間にしたら多分2分くらいだと思う。
“そうなの?実はもう駅前のビルに居るんだ!今から来れる?”
凛ちゃんが駅ビルに居る!
私は大慌てで昨日ママから貰った鞄を引っつかんで部屋を出た。
“今から直ぐに行くね”
私はそうメールを返して、携帯を握り締めたまま家を飛び出した。
ドキドキが治まらない。
“ゆっくりで良いから、転ぶなよw”
大急ぎで歩いている途中で、また凛ちゃんからメールが来た。
私はそれには返事をしなかった。
もう目の前に駅ビルが見え始めていたからだった。
信号を待つのも何だかもどかしい気分になってしまう。
信号が青に変わった瞬間、人で混み合う交差点をぶつからない様に避けながら歩く。
もう目の前に迫った駅ビルの入り口に、携帯を手に俯いている見慣れた姿を見つけた瞬間、私は更にペースを上げて駆け寄った。