叶う。 Chapter1
「ったく、だから言ってんだろ?」
和也は凛にそう言って、少しご立腹気味だった。
「見てなかったんだから仕方ないじゃん。だいたいあんた達は日頃から女ったらしだから勘違いされるんじゃない。」
凛はそう言って、キッと和也を睨む。
「うぜぇ・・・かあちゃんかよ。」
「とにかく、かなうに変な気起こしたら承知しないからね!」
凛はそう言って、4人を1人1人指差した。
「俺関係なくね?」
1人スケボーに乗って離れていた祐希が小声でそう言ったので、思わずみんな吹き出した。
凛もそんな皆を見て、つられて笑った。
最初はどうなることかと思ったけれど、私はこの空間にいることがなんだかとても楽しかった。
「よし、続きやる。」
凛はそう言って、私に「見ててね」と言ってから、コンポのスイッチを入れに向かった。
「ねぇ、座って頼むから。」
「うん、・・・ごめんね。」
私は申し訳なく思いながらも、また迷惑を掛けるのも気が引けたので、そのパーカーの上に座らせてもらうことにした。
「凛、めっちゃダンス上手いんだよ。」
私が座るのを確認すると、和也もそう言いながら私の隣に座った。
私はじっと凛を見つめた。