叶う。 Chapter1
座り込んだ3人に、愁と晃と祐希も傍にやってきた。
そしてみんなで円になって地面に座り込む。
私は少し緊張して俯いた。
さっき紹介してもらったとはいえ、自分がこの場所に居ていいのか少し不安になった。
それに見慣れない私が珍しいのか、さっきからやたらと視線を感じる事に、どうしても緊張する。
そんな私に気付いて居ないのか、凛は何事もなかったかのようにご機嫌だった。
「愁、凛の鞄取って。」
「自分で取れよ。」
愁はそう言いながらも、凛の鞄を取りに行ってそれを凛に向かって投げた。
「サンキュ!」
凛は鞄を上手にキャッチすると、中からタバコを取り出した。
凛はセクシーな唇にタバコを咥えてライターで火をつけた。
その姿はとても大人っぽく見えて、私は少し羨ましくなった。
「凛、タバコ吸うんだね。」
「あれ?言ってなかったっけ?」
「聞いてないよ。」
「ごめん、かなうは吸わないの?」
「うん、吸えないの。」
ママを見て憧れているけれど、私には似合わないといつも思っていたし、吸ってみたいとも思っていなかったのでそう言った。
だけれど凛は何を勘違いしたのか、急に私から離れた。
「ごめん、ひょっとしてかなう気管支弱いとか?」
「え?」
「喘息とか?」
「ん?違うよ?何で?」
私がそう言うと、凛はほっとした顔でまた私の横に座った。