叶う。 Chapter1
「だってかなう病弱っぽいからw」
凛は煙を吐き出しながらそう言った。
私は思わず笑った。
いつも寝不足で顔色が悪いから、きっと凛にはそう見えていたんだと思った。
「全然、大丈夫だよ。うちの家族みんなタバコ吸うよ?」
そう、うちはママだけじゃなく高校生の兄達もタバコを吸っている事を私は密かに知っていた。
直接見かけることはあまりないけれど、たまにリビングでタバコを吸っている兄達を何度か見かけたことがある。
「かなうちゃん、一人っ子じゃないんだ?」
どうやら同じクラスらしい、祐希がそう言った。
「うん・・・お兄ちゃんがいるよ。」
私は何となく家族の事には触れたくなかった。
「意外だね、一人っ子のお嬢様ってイメージだった。」
祐希はそう言って笑った。
家族についてこれ以上詳しく話したくなかった私は、また曖昧に笑っておいた。
だけれど、物珍しいのか私に対する質問はまだまだ終わらなかった。
「天使ちゃんはハーフなの?それとも両親とも外国の人?」
「うん、ハーフ・・・・ママしかいないけど。」
私はそう言って言葉に詰まる。
もうこれ以上詮索されると正直困る。
家族の事、過去の事は、正直誰にも話したくない。
例え、それが凛だったとしても私は正直に全てを話せるとは思えない。