叶う。 Chapter1
なんだか、胸が酷く苦しくなった。
何も言えない私に、和也は続けてこう言った。
「だから、かなうの都合が良かったら、いつでも遊びに来てくれる?」
「・・・え?」
「嫌じゃなかったらで良いんだけど。」
「え?・・・良いの?」
「ん?」
「私・・・またここに・・・来ても良い・・の?」
そう言った途端、私は恥ずかしくてどうしようもないほど苦しくなった。
心臓が長距離を走った後みたいに、ドキドキと鼓動を刻んで五月蝿い。
「もちろん、いつでもおいで。」
和也がそう言うと、残りの3人も頷いた。
こんな私を、受け入れてくれる凛の友達は、やっぱり凛と同じように優しい人なんだと、改めて感じた。
「んー、かなうが嫌だって言っても凛が連れて来るし?」
凛は少しふざけた様に笑いながらそう言った。
私は頭が混乱して、どうしたら良いのか分からなかった。
こんな風に、誰かに受け入れてもらえる事がこんなにも素敵で素晴らしい事だということを私は知らなかった。
普通に生きていれば、それは何でもない事なのかもしれない。
だけれど私にとっては、それは天地がひっくり返るかと思うほどの衝撃だった。