叶う。 Chapter1
私もこんなに目立つ人達なら、きっと見たら忘れないだろうけれど、普段の私は周りを見ることがないからきっと気付かなかったんだと思った。
「私、普段ノーメイクだし、格好も酷いから・・・」
私がぼそっとそう言うと、祐希がすかさずこう言った。
「確かに学校だと、あんまり化粧してないよね?」
「は?祐希何ちゃっかりチェックしてんの?ストーカーかよ。」
凛がそう突っ込みを入れると、皆揃って笑った。
「かなうって美人だから仕方ないだろ。化粧してなくても学校ではめっちゃ目立ってるじゃん。」
祐希は慌ててそう付け加えた。
「確かに。男共はよくかなう見てるもんなぁ。」
凛が呟くようにそう言う。
「・・・え?」
私は意味が分からなくて、凛を見た。
「ん?かなう知らないの?」
「何が?」
「クラスの男共はみんな、あんた狙ってんの。」
「え!?」
凛のその突然の発言に、私は混乱した。
私が狙われる?
それは命の危険があるんだろうか、と一瞬頭を過ぎる。