叶う。 Chapter1
「あはははは!!!アンナの顔!!」
レオンは突然そう言ってお腹を抱えて爆笑した。
「・・・・・。」
「マジ、最高だったwww」
「・・・・。」
突然笑われて、私は余計恥ずかしくなって俯いた。
要らぬ心配をした自分自身がとても恥ずかしい。
どうやらレオンはいつもの様に私をからかって遊んでいただけだったらしい。
「可愛いやつめw」
「・・・・もう・・・やめて。」
少しでも騙されそうになった自分が恥ずかしかった。
相当面白かったのか、レオンはしばらくクスクスと笑い続けていたけれど、物言わぬ私に飽きたのかスースーと息をして呼吸を整えた。
そしてレオンは、未だ俯く私の頭に手を乗せてポンポンと優しく触れた。
「安心しろよ、アンナじゃたたないからww」
レオンはそう言って、また笑いの発作が起こったようだった。
私は恥ずかしいやら、どうしていいのやら分からなくなって、逃げるようにバスルームを飛び出した。
「冗談だよ、怒るなよw」
背後からそんなレオンの笑い声が聴こえたけれど、私は聞こえない振りをして大急ぎで部屋に向かった。