叶う。 Chapter1
全くもって、レオンは意地悪だ。
からかわれることには慣れているけれど、あんな風に不意に男らしい一面を見せられるとは思ってもみなかった。
今までは本当に子供として扱われていたからか、こんなに掻き乱されることはなかったけれど、これからは少し注意しようと私は密かに思った。
かといっても、反抗なんてする気はもちろんないのだけれど。
私は小さく溜息を吐くと、クローゼットから適当な着替えを取り出してそれを着た。
さっきはすごく眠たかったのに、レオンのおかげですっかり目が覚めてしまった。
私はとりあえず明日の学校の支度だけ済ませると、ベッドに座って鞄から携帯を取り出した。
手にした携帯はチカチカとランプが点滅していた。
凛にメールするつもりだったことを思い出し、携帯をつけて確認する。
携帯には3件の受信メールがあった。
私は順番にそれを開いて確認した。
1件目は凛からで、無事に家に着いたかの確認と、また遊ぼうというシンプルなメールだった。
時間を確認すると1時間ほど前だったので、私は返事を返そうか少し迷った。
時刻はもう深夜だったので、凛は寝ているかもしれない。
でも、毎日のように学校に遅刻してくる凛を思い出し、何より今日楽しかった事を早く伝えたかったので返事を返すことにした。