叶う。 Chapter1
熱のせいで、きっと私の頭は更におかしなことになっているに違いない。
いつもなら、シオンを引き止める事なんて絶対しない。
そもそも、行かないでなんて言葉は使った記憶すらない。
なぜ、そんな言葉が咄嗟に口から出てしまったのか、自分で言っておいて理解出来なかった。
だけれどシオンは、またゆっくりとベッドにやってくると、私の隣に横になった。
「・・・お前と寝てると熱いんだよ。」
そして素っ気無く呆れたようにそう言ったけれど、さっきと同じように優しく抱き締めてくれた。
私はまた心地いいシオンの体温を感じながら、さっきよりもぎゅっとシオンにしがみつくように寄り添った。
こうしていれば、安心する。
それに、さっき見た夢の続きが見れるかもしれない。
そんなことを考えながら、さっきよりも近いシオンの胸に頬を寄せて、私はゆっくりと目を閉じた。