叶う。 Chapter1
/知らない感情
何なんだろうか。
この感情は。
悲しい、嬉しい、楽しい、怖い、苦しい、辛い?
違う・・・
そうじゃない。
私は一体どうしてしまったのだろう。
シオンと一緒に居た、あの綺麗な女性が頭に浮かぶ。
綺麗に染めたシャンパンゴールドの巻き髪。
大きな茶色い瞳は、長い睫毛に縁取られて更に大きさを増していた。
小さな鼻とフランス人形みたいな唇はピンク色で、真っ白な肌にすごく映えていた。
そして手足が長くて、すらりとしたスタイル。
大人っぽくて、セクシーな雰囲気。
なぜ、こんなにはっきりとその人の姿形を思い出せるのか、自分でも分からなかった。