叶う。 Chapter1
もやもやする。
それに、私は何故かイライラした。
それは何に対してのイライラなのか、分からない。
普段はこんな風にイライラすることなんて、全くと言っていいほどない。
そもそも、普段はこんな風に何かを深く考えたりすることがない。
もちろん、頭ではイライラしているけれど、他人が見ても私がイライラしているなんて思わないだろう。
感情を上手に表現出来ない私は、何かを感じたり考えたりすると、途端に表情に出さなくなる。
それは傍から見たら、ただ無表情になっただけのように見えるんだろうと思う。
いくら感情表現が苦手といっても、私にだって一応は喜怒哀楽を考えるくらいの頭はある。
笑ったり、驚いたり、恥ずかしく思う時はもちろん顔に出るだろうし、相手にもきちんと伝わっているとおもうけれど、それ以外の感情を表現することは何よりも難しいし、別に伝える必要性もない。
だけれど、この静か過ぎる空間は更に私の心をイライラとさせる。
それと同時に押し寄せる、謎の黒いもやもやは一体なんなんだろうか。