叶う。 Chapter1
「それに・・・なんか行動が子供みたいだよな?」
和也はそう言ってまた笑う。
確かに私は良くぶつかるし、躓くし、夢中になると周りが見えなくなったりする。
それは今に始まった事じゃないけれど、面と向かって言われると、とても恥ずかしい。
だけれど和也の話し方なんだろうか、全然嫌な気持ちなったり、馬鹿にされた気分にはならなかった。
気持ちが落ち着いて来ると、私は辺りを見渡した。
そこは今までに見たことも、来たこともない場所だった。
「あの・・・。」
「うん?」
「どこに行くの?」
ふと、疑問に思って聞いてみた。
「あー、俺んち。」
「へ?」
「溜まり場行こうかと思ったんだけど寒いし、かなう病み上がりだから、俺の家で良いかなと思って。」
和也は何でもない風にそんな事を言い出した。
私は流石に驚いたし、言葉も出なかった。
それは普通の事なんだろうか?
いくら友達と言っても、異性である人の家に出会って間もない自分がお邪魔しても良いものなのだろうか?
それは私には経験の無いことだから、分からなかったけれど、少なくともあまり良い事じゃないって事くらい分かる。