叶う。 Chapter1
「どっから話したら良いのかな・・・。」
和也はそう言って、思い出すように上を向いた。
「まぁ、誤魔化しても仕方ないから全部話すけど。俺らが中学入って直ぐにさ、やっぱり幼馴染だし、俺と凛と普通に仲良かったんだよ。」
「うん。」
「愁も祐希も、もちろん小学校からの付き合いだし、結構4人で遊んだり普通にしててさ。」
「うん。」
「だけどさやっぱ俺らも男だし、中学入って調子に乗ってたところもあったんだよ。」
「うん。」
「格好も派手になったし、気付いたら結構学校で目立つようになったりしててさ。」
「うん。」
「で・・・さ。」
和也はそこまで言うと言葉を切った。
何かとても言いにくそうにしていたけれど、私は黙って和也の言葉を待った。
「で、俺に最初に彼女が出来たんだよ。あの頃はさ、正直調子に乗ってたし、来る物拒まずっていうか、とにかくだらしなくて、自分でも本当にどうしようもないヤツだと思うけど・・・。」
「うん。」
「愁も一緒になって、2人でどうしようもないことばっかしてたんだ。まぁ、ぶっちゃけ女に恨まれるようなことも沢山したし、毎日とっかえひっかえで、ほんと馬鹿だった。」
和也は自分自身に嫌悪感を抱いたように、吐き捨てるようにそう言ったけれど、私は何となく和也のその頃が想像出来る気がした。