叶う。 Chapter1
いつもより熱くした温度のおかげで、私の思考は上手く働かなかった。
例えば、もしシオンとの身体の関係がレオンやママにバレたら私は一体どうなってしまうんだろうか。
そもそも、それがいけない事なのかすら私には分からない。
そういうことをしてはいけない、と教えられればいけないことだと理解するけれど、私にはそれを相談する相手もいない。
シオンとの関係はかれこれ2年くらいは続いていると思うけれど、シオンも私に口止めしたことすらない。
だからきっとバレてもシオンは気にしないんだろうと思う。
本来は子供を作る為にする行為である事はきちんと分かっているし、その辺りはシオンはきちんと気をつけている。
だけど私達がするその行為には何か目的がある訳じゃなくって、ただ、そこに違う性別の身体があるからにすぎない。
言うなれば、そう
小さい子供が蟻地獄に蟻を落としてみたくなるのと同じ。
どうなるのか、という好奇心。
多分きっかけはそんな事だった。