叶う。 Chapter1

間違っているなら、怒られる。
誰かを不快な気分にさせたり、迷惑と思われるのなら、誠心誠意謝れば良いだけのこと。

許す許さないは、私の決められる事じゃないし、何よりそれで捨てられたとしても、私は元々一人だったのだから仕方の無いことだと思う。


そこまで考えて、私は少し気分が落ち着いた。
現場を目撃されたわけでも、それで何か言われた訳でもない。

もし何か咎められたとしても、追い出されたとしても、私は最初からそうなる運命だったってだけのこと。


そう、私は一人ぼっちなんだ。

もうこれ以上何かを失う事なんかない。


今の生活に不満なんてないけれど、それを失ってもきっと私は何も感じないんだろう。



そう思うと、不思議と気分が楽になった。