叶う。 Chapter1
バスルームを出る頃には、すっかりのぼせていた。
指先がしわしわになっていることに気付いて、少しげんなりする。
今日はなんだか疲れた。
手早く身体を拭いて、自分用のクローゼットを開いて下着とパジャマを取り出し、それに着替える。
バスタオルで腰まで伸ばした髪をまとめて、私はバスルームを後にした。
なんだか後ろめたいけれど、私はそのままリビングに向かう。
食欲はなかったけれど、喉がすごくカラカラだった。
リビングのドアを開けると、レオンがソファに座ってクッションを抱えてテレビを見ていた。
ドアの音に気付いたのか、一瞬こちらに視線を寄こしたけれど、私は何事もなかったかのように冷蔵庫に向かい、いつもストックされている水のペットボトルを取り出した。
蓋をあけて口をつけると、冷たい水が体中に染み渡るような不思議な感覚がして、半分くらいの水を一気に飲み干した。