叶う。 Chapter1
「アンナご飯食べた?」
レオンの問いかけに、飲みかけのペットボトルを持ったままソファに向かう。
レオンの声音はいつもと変わらない。
なので、私も普通にしなければ。
ママが私の為に買ってきた某マスコットキャラクターの可愛らしいぬいぐるみをどかして、私の定位置であるレオンの斜め横に座る。
「今日、あんまり食欲なくて。」
「アンナ食欲ないの毎日じゃん。」
「・・・うん。」
「育ち盛りなんだから食わないと、いつまでも貧乳のままだぞ?」
レオンはそう言ってクックと笑う。
なんて返事をしていいか分からなかったので、私はまたペットボトルに口をつけた。
「まぁ、冗談はさておき。実は俺も飯まだ食ってないんだ。」
「何か作る?」
「いや、コンビニ行こうぜ。」
せっかく温まったのに、どうやら私はレオンのコンビニに付き合わないといけないらしい。