叶う。 Chapter1
「ほん、とに、本当に…迷惑じゃないよ!」
相変わらず寂しげな表情を浮かべた和也に、必死になってそう言った。
ひょっとして、自分がとても失礼な事を言ってしまったんじゃないかと思って焦る。
だけれど次の瞬間、和也は俯いたままクスクスと笑いだした。
「かなうw必死すぎww」
和也はそう言って、繋いだ手を優しく握った。
私は意味が分からなくて一瞬考えたけれど、それは直ぐに理解出来た。
どうやら、またからかわれていたらしい。
途端に恥ずかしくなって顔が赤くなる。
どうして私はこうしてからかわれてばっかりなのか。
「ごめんwだって、かなう直ぐ本気になるからw」
顔を赤くして俯く私に、和也はそう言って未だにクスクスと笑い続けている。
レオン然り、凛然り、新しく和也までもがこうやって私をからかうのは、きっと私がとんでもなく間抜けで騙されやすいのだ。
なんだか少しだけ、自分の馬鹿さ加減に悲しくなったけれど、和也はそんな私に気付いたのか、静かに耳元でこう言った。
「かなうが好きだから、構いたいんだよ。」
そう言って、繋いだ手を優しく撫でた。
私は色々と恥ずかしくなって、顔が見えないぐらいまで俯いた。
ストレート過ぎる和也の言葉は、私でも理解出来る。
だけれど恥ずかしさは更に加速した。