叶う。 Chapter1
コンビニは、家から2分ほどの距離にある。
もうすっかり真夜中の時間だけれど、場所柄なのか行きかう人々は多い。
いくら短い距離だといっても、吹き込む北風はお風呂上りには辛い。
レオンと並んで歩いていると、その身長の差があまりにも違いすぎる事に改めて軽いショックをうけた。
最近はピアノばかりで、こうして近場ですら一緒に出掛けることがなかったから、また背が伸びたんじゃないかと少なからず思う。
180センチ以上のレオンと156センチの私。
アンバランスな私達は、周りからどういう風に見られているんだろうか。
誰がどう見ても兄妹には見えないだろうけれど、カップルにも見えないだろう。
モデルのような完璧な兄と、出来損ないの私。
飼い主とペット?
ご主人様と下僕?
そんなことを考えたら、急におかしくなって少しだけ顔が綻ぶ。