叶う。 Chapter1
そんな雰囲気のお陰か、私はいつもより沢山食べることが出来た。
和也も凛と同じで良く食べる。
それもとても美味しそうに食べるので、見ていてとても気持ちが良い。
「かなう、それだけで足りるの?」
ポテトとサラダとドリンクのみの私に、和也がそう言って首を傾げる。
「いつもこんなに食べないよ。」
「え?マジで?本当に少食だな。」
「そう?」
「小学生でも、もっと食うだろ?」
和也はそう言ったけれど、家族と食べない時はほとんどサラダくらいしか食べない私にとっては、結構食べた方だと思う。
「普段はもっと食べないかも。」
「マジで?もっと食わないと駄目だよ。」
「うん。でも今日は美味しいからいっぱい食べたよ?」
「俺もかなうと一緒だと飯が旨いわ。」
和也はそう言って笑ったけれど、自分が食べてるハンバーガーをちぎって私の口の前に差し出した。
私はまた無意識に、それをパクっと口に含んだ。
「まだ食えるじゃん。」
「でも、もうお腹いっぱいだよ。」
「まぁ、病み上がりだしな。次はもっと食べような。」
和也はそう優しく言った。
次は、と言った和也の言葉がとても嬉しく感じる。
また一緒にご飯を食べようという、約束のような気がしたからだ。