叶う。 Chapter1
人格の崩壊
/約束
私は部屋に入ると、制服を脱いでそのままバスルームに向かった。
いつもなら、いつ兄達が帰宅するか分からないので、きちんと着替えをしてから向かうんだけれど、最近はめっきり兄達の帰宅が遅い。
たまに早い時もあるけれど、そういう日は大概私と同じくらいか、むしろ少し早い時間に帰宅することが多い。
今日は7時を回っているから、多分早くても日付が翌日に変わるくらいだろうと予測する。
あまり気にはしてないけれど、多分1年前くらいからそういう行動パターンだと思う。
そして時折、シオンだけが早く帰宅する時がある。
そういう時は必ずシオンは、私の部屋にやって来るのだ。
だけれど、私にはシオンを拒否する権利は勿論ない。
別に脅された訳でも、無理矢理された訳でもないけれど、こんな出来の悪い赤の他人である私が、普通以上の生活をさせて貰っているのだから、それくらい何て事もない。
端から見たら、それは間違った見解なのかもしれないけれど、私に今出来る事と言ったらその程度の事しかないと思う。
家事も出来る限りは手伝うし、自分が出来る事はなんだってしなくてはいけないといつも思っている私にとっては、例えそれがシオンの性欲の捌け口だろうと受け入れるしかない。
勿論、レオンに同じ事をされても私は受け入れるだろう。