叶う。 Chapter1
同じ顔、同じ声、同じ髪型に、同じ体系。
好みが同じなのか、服装も似ている二人。
他人が見たら、全く同じに見えても不思議はないくらい、二人は外見がそっくりだった。
だけれど、中身は全くの別人。
いつでも冷静で、他人に関して無関心な兄シオン。
いつでも愛想良く、誰とでも積極的に仲良くなれる弟レオン。
接しやすいのは誰の目から見てもレオンなのだけれど、私にとっては自分と同じように感情を表に出さないシオンの方が、正直一緒に居るには楽だった。
だけれど、私が少しだけ笑うことが出来るようになったのは間違いなくレオンのおかげだった。
この家に引き取られて間もない時、全く笑うことさえしなかった私を一番気にかけてくれたのは、間違いなくこのレオンだったのだから。
だから私は、少なくともシオンよりもレオンに懐いていた。