叶う。 Chapter1
自宅に戻ると、レオンと二人でリビングに向かった。
時刻は深夜2時。
こんな時間にご飯を食べたら、胃もたれすることは必須だけれど、最近はピアノのせいで不規則だったので、買ってきた菓子パンを小さくちぎりながら口へと運ぶ。
発表会は来月だから、なんとか体調を崩さないようになくちゃいけない。
人間は食事をしないと、弱る。
それは小さい頃に経験済みだった。
「最近学校どうなの?」
サンドイッチを食べ終わり、更におにぎりの袋を開けながらレオンが言う。
「んー・・・普通かな。」
正直あんまり話たくない話題だったけれど、私はなんでもない風にそう返事をする。
「アンナもあと1年で受験だね、勉強大丈夫?」
レオンの言葉に思わず苦笑する。
私が勉強なんて出来ているわけがなかった。