叶う。 Chapter1
漸く眠りについた時間は、明け方の5時だった。
元々熟睡することは少ないので、寝不足でも問題はなかったけれど、今日が金曜日で学校があることを思い出したレオンが焦って部屋に向かったので、私達のお茶会はお開きになった。
シオンはさっきの出来事以来見かけてないから、きっとずっと部屋にいるんだろう。
私は食べ散らかしたゴミを片付けて、きちんとテーブルを拭いてから自室に戻った。
今日は珍しくママがまだ帰宅していない。
ママは経営者だから、基本お店が終わったらすぐに帰宅するので、私達が起きてる時間に帰って来る事も多いのだけれど、たまに私が学校に行く時間になっても帰ってこない時がある。
特に気にはならないけれど、ママの顔を見れないときはちょっと寂しく感じたりもする。
あれだけ綺麗なママだから、私が知らないだけでひょっとしたら誰かとお付き合いしたりしているのかもしれない。
それはきっと素敵な人に違いない。
ベッドでそんな事を考えながら、私はゆっくりと目を閉じた。