叶う。 Chapter1
/小さな事件
結局、この日は一睡も出来ないまま朝を迎えた。
私の朝はこの家の誰よりも早い。
理由はママが居ない時は、双子の朝食を用意しなくちゃならないのもあるけれど、私の通う学校は自宅から電車で30分かかるというのが一番の理由。
引き取られてから小学校卒業まで、私はインターナショナルスクールに通っていた。
見た目が日本人でないのに、英語が話せなかった私を不憫に思っての選択だったらしい。
その学校では割と色々な事が自由だったので、変わり者の私でもそこそこ馴染む事が出来た。
会話が全て英語なので、日本語のような難しい言い回しを使わなくても良かったのも、馴染めた理由なんだと思う。
おかげで私は、6年間ですっかり英語には馴染むことが出来た。
だけれど、問題は中学に入った時に起こった。
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