叶う。 Chapter1
そしてその後何度か、学校関係者とも話し合いの場がもたれた。
いじめについての学校側の対応に怒っていたママだったけれど、私がもう気にしていないと言ったので、なんとかその怒りを抑えてくれたようだった。
学校側は私の内申点を上げることを条件に、なんとかこの事件を揉み消そうと必死だった。
私は正直どうでも良くて、早く平穏な日々を取り戻すことが出来ればそれで良かった。
それでも最終的には、長谷川さんを含むいじめに加担していた5人の生徒が学校を退学させられた。
私は学校を辞めるつもりはなかったけれど、ママは私がその学校に通うことを許さなかった。
それで私は暫くの間、学校に行くことすら出来なかった。
でも、結果は行かなくて正解だったのかもしれない。
近所でも名の知れた有名私立で、逮捕者が出たこの事件は予想以上に世間の関心を引いてしまった。
そんな状態だったので、私がその学校に戻ることは、最早世間の注目を引く行動以外のなんでもなかった。