叶う。 Chapter1
それから暫くして、私は結局その学校を辞めることになった。
入学金やら制服やらが無駄になってしまったことが、本当に申し訳なかったと、今となっては思う。
学校側から、別の学校への推薦状を何通も渡されていたらしいけれど、ママはあんな学校信用出来ないと言って、全て断ってしまったらしい。
その事件から3ヶ月間は、ママの薦めもあってほとんど自宅でピアノを弾いて過ごした。
カウンセリングとピアノだけの日々は、徐々に私の忌々しい記憶を薄れさせていった。
だけれど、ずっとそのまま過ごす訳にもいかなかったので、丁度中学校1年の夏休みが終わる頃、私は違う学校に転校という形で通うことになった。
それは普通の共学の公立学校だった。
どうやって調べたのかは分からないけれど、その学校は家から通える地域で、何故かその時期に転校生が一番多い学校だった。