叶う。 Chapter1
片道電車で約30分。
その学校は近いようで結構遠い。
だけれどもちろん、私はどの学校でも構わなかったし、不満なんて一つもなかった。
私はあの事件以来、家族の為になることは何でもやってきた。
迷惑を掛けた事への償いの気持ちももちろんあったし、せめてもの恩返しのつもりでもあった。
だけれど、ママはもちろん、シオンもレオンもそんなことは気にしていない様子だった。
直接聞いた訳ではないけれど、長く一緒に居るからなんとなくだけれど態度や表情でわかる。
ただ、ママとレオンは少し過保護になったし、シオンは相変わらずだったけれど、私の身体を気遣う素振りをたまに見せるようになった。
それは、あくまでもいつもと変わらない日々。
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