叶う。 Chapter1
/平穏な日常
私はだるい身体でなんとか起き出してキッチンに向かうと、すぐに朝食の支度を始めた。
フライパンに油を少し垂らして、卵とハムを焼く。
同時に鍋にお湯を沸かして、ブロッコリーやニンジンを茹でる。
合間に食器を用意して、出来上がった料理を適当に盛り付けた。
料理時間はたいした手間を掛けてないので20分かからない位だった。
我ながら手際は良い方だと思う。
買い置きしてあるフランスパンを何枚か切って、バスケットに乗せると、ダイニングテーブルに並べておく。
こうしておけば、後は勝手に食べてくれる。
朝食の準備を無事に終えると、私は部屋に戻って制服に着替えて鏡台に座った。
鏡に映る自分の姿にがっくりと肩を落とす。
寝不足のせいで、元から悪い顔色が数段悪化しているように見えた。
バレない程度にコンシーラーで隈を隠して、うっすら見えるそばかすを隠すようにパウダーを叩いた。