戦京愛夏
ある日のこと
夜中に大雅がどこかに出かけようとする姿が見えた夏未は
「兄さん、どこいくの?」
「……夜の町に出て仕事してくる
金さえあれば夏未を裕福にさせてあげられるからな」
「……うん分かった」
夏未はさほど心配はしていなかったが
翌日
朝起きると大雅も眠っていた
しかし夏未は大雅の着ていた服が変わっているのに気がつく
外に出てみると
「……!」
草履の足跡がある
しかし血が混じっているようにも見える
その足跡は夏未の家に続いていた
「……兄さん?」
おかしく思った夏未は
夜、また出かける大雅の後をつけた
かなり遠い道のりだった
(どこまで行くんだろ?)