戦京愛夏
「兄さん!大丈夫?」
愛羅はすぐに京弥の元に駆けつける
「あぁ、なんとかな」
肩から滴る血を押さえる京弥だが溢れるように血が出てくる
「兄さん避けれたはずだったろ?
なんでそのままにしたの?」
「たまには痛みを知っておかないと
この痛みが、あいつらに復讐させてやる気持ちを高ぶらせるんだ」
「………」
愛羅は何も言えずに居る
「とりあえず、手当てするよ?」
愛羅は京弥の手当てをする
京弥は龍斗の隣に座る
「龍斗とか言ったな
切られて痛いか?」
「い、痛いに決まってんだろ!
っ!!!いででで」
「こら!大きな声出さないの!」
愛羅に頭を叩かれる龍斗
「いつでも切られる準備をしとかないと
痛いのにも気付かないで死ぬだけだぞ」
「…………」
京弥の気迫に目を逸らす龍斗
「あ!そうだ!あたし夏未さんたち探してくるね!」
京弥の手当てを終えた愛羅は思い出したかのように立ち上がる
「龍斗君、伊織さんはきっと無事だから安心してね!」
愛羅は龍斗に笑顔向けた
龍斗は顔を赤くさせる
それを京弥が冷ややかな目で見ていた
「じゃあまた後でねー!」
愛羅がその場を去ると
「………お前、そういう事なのか?」
「は、はあ!?何が!?」
「愛羅が……?んまあいいとは思うが」
「ちげえーって!」
「んまあ!気になるなら手伝うぜ!」
京弥は親指を立てた
「なんなんだこの兄妹!」