サイコーに幸せなお姫様。
「お前らの交友関係は幅広いんだなー。初めて出会った!」
「お母さんも!本当に男の子が好きなの?!」
「ねー。ゲイって何?」
ぷっ……そんなにいっぺんに質問されても答えられないよ。なおの家族っておもしろーい♪
すっかり打ち解けてお酒も入ってみんなテンション高め。なおのお酒の強さは両親譲りのようだ。
「もううちに泊まっていきなよ。明日はここから出勤すれば?」
「え、でも……」
「そうしなさい。お布団たくさんあるから!お風呂も入って!着替えはお父さんのになっちゃうけど」
いいのかなぁ。いくら友達で僕がゲイだとは言え、彼氏のいるなおの家に泊まるなんて。
「なおの部屋に布団ひいておいたから♪ドライヤーそこね!歯ブラシも新しいの出しておいたから使って♪おやすみなさい!」
ええ――!?
お風呂あがりの僕に立て続けに言うだけ言ってから去っていくなおのお母さん。
すごい理解のある家族。
なおの部屋をノックして入るとなおは電話中だった。
「あ!慶一郎お風呂からあがってきた♪じゃまたね!おやすみ!」
電話の相手は聞かなくても分かるよ?
彼氏。ツッチー。