サイコーに幸せなお姫様。



飲み会当日。なおとツッチーは離れた席。



なおは女友達と二人で何だか寂しげに話をしていた。



ツッチーもなおの女友達の旦那さんらしき男の子と真面目な話をしていた。



僕はできるだけテンション高めにみんなに絡んで行った。



みんな笑ってくれたけど……やっぱりなおは元気がなかった。



二次会終了後。僕は遠くから二人を見ていた。ツッチーがなおに声をかけて一緒に歩いて帰って行く姿。



その後ろ姿を見ながら



僕はなんだか無性に切なくなって涙がこみあげてきた……



あんなに仲が良かった二人……


なんで手もつなげないの?寄り添えないの?



お互いがお互いを好きなのくらい誰が見ても分かるのに……



「ツッチー頑張って……」



涙を流しながらつぶやいた僕の言葉。



この時に本当の自分の気持ちに気付いたんだ。



僕はツッチーと付き合って幸せそうに笑うなおが好き。


なおに苦戦しつつも頑張るツッチーが好き。



二人はやっぱり離れちゃいけないんだよ。



だから願った。



一一神様。
どうかなおとツッチーがまたヨリを戻せますように。



他人の恋に涙を流してお願い事をするのはきっとこれが最初で最後だと思った。





< 116 / 202 >

この作品をシェア

pagetop