サイコーに幸せなお姫様。
だけど次の瞬間……一気に空気が変わる。続いて開かれた扉の先にはなおと親父さん。
俺と同じ反応。
みんななおのウェディングドレス姿に釘付け。
世界で一番……綺麗な花嫁なんだから。
バージンロードを一歩ずつなおと親父さんが歩いてきて俺になおの手を受け渡す時に小さな声で親父さんに言われた。
「ツッチー。気が強い娘だけど幸せにしてやってくれな」
親父さん……結婚させて下さいの挨拶に行った時にも言われた。俺は一生忘れないと思う。
「はい。絶対に幸せにします」
なおにもこの言葉のやりとりは聞こえていて……泣きたくないとか言ってたけど少し涙ぐんでいたこと気付いてたよ。
なんだか不思議な感覚だった。
なおに一目惚れしたチャペル。
プロポーズしたチャペル。
俺たちは今そこで永遠の愛を誓う。
なおも俺と同じこと考えてくれてるかな?
別れてからすごくすごく辛かった日々。それを一転させた俺からのプロポーズ。
あの時を思い出すと胸が熱くなる……俺さ……本当にあのプロポーズをなおが受け入れてくれなかったらもう一生誰とも結婚しないと思ってたんだよ?