サイコーに幸せなお姫様。



まあ、仲良しと言っても喧嘩をする時ももちろんあるわけで……



同じおもちゃを二個分け与えているのにお互いがお互いのおもちゃの取り合いが始まる。しかもお兄ちゃんの陽から仕掛ける。



「ああ……もう」



俺はお兄ちゃんの陽を怒ろうとした。だけど……



「うあーーー!!」



おもちゃの取り合いに勝ったのは妹の美姫。



とにかく噛んでバシバシ叩いて男の子の陽を泣かせた。



「こ……これはどっちを怒ればいいんだ?」



とりあえず泣いている陽を抱っこする俺。



「いっつも陽は美姫に負けるんだから!仕掛けてるのは陽だからいいんじゃない?」



姫はもう見慣れた光景のように口を開く。



「陽!お前はお兄ちゃんなんだから妹の美姫を守らなきゃいけないんだぞ?泣いてどうするんだよ?」



ギュッと俺の首に小さな腕をまわしてきてしがみついてエンエンと泣く陽。



そして何事もなかったようにおもちゃで遊んでいる美姫。



……ある意味。



姫に似てきているような気がするのは俺だけ?





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