サイコーに幸せなお姫様。
耳元で鳴り続くコール音。一時、続いた後に留守電に切り替わった。
「あいつ寝起き悪かったよね?」
この私を待たせるなんていい度胸じゃん!しかも初デートなのに遅刻っ!!
ヒールをコツコツと音をたてて真っ直ぐに歩きだした。もちろんあいつのアパート。
寝ていたら蹴りあげてやろう。そんな気持ちで鍵を開けて寝室へと向かうと……
「あれ?いない」
ベットには彼氏の姿はなくてリビングに向かうとテレビも電気もつけっぱなし。
そしてそこら中に散乱している洋服の中に埋もれながらソファーの上で寝ている私の彼氏……
「起きろっ!!」
「あいた一一一!!!」
思いっきり額を殴ってやった。珍しく眠りが浅かったのか一発で起きた。
「……あれ?なお?なんで…て今何時?!」
「11時すぎだよ!私約束守れない奴キライ!」
「ちっ……違うんだよ?!初デートだから何を着ていこうか悩んでいたら明け方まで起きていて……ごめん!すぐ準備するからっ!」
こんな部屋の状況を見たら想像くらいつくよ。全く!!
あ、このバカみたいに慌てている男が私の彼氏。
土屋直哉。同い年。
ツッチーって呼んでる。