サイコーに幸せなお姫様。



「なお……なんかごめんね。余計に悩ませちゃった?」



あみは不機嫌な私に気を使って謝ってきてくれた。あみは全く悪くない。



「ううん。行ってよかった。よく分かった」



人それぞれ好みというものがあるんだよね。



そして誇りを持って堂々と働いている女の子たち。



バカになんかしちゃダメだ。もう……自分がツンデレだと思われてもいいや。



私は私なんだから。



19年間この性格で生きてきた。それを急に変えろって言われても無理なんだよ。



口が悪くてもあみみたいに女の子らしくなくても。 


それでも私を本気で好きだって言ってくれる彼氏が私にはいる。



あの男たちはきっとメイドの女の子たちを二次元のアニメと同じ、アイドルとして見ている。



群像崇拝。



私を気に入ったってリアルな私を知らないくせに。でも夢を見せるのがあの店の方針。



少しばかり社会勉強になったよ。私はあみと別れてからツッチーのアパートへと向かう。



なんだか無性に会いたくなった。素の私を好きでいてくれる……そして私も大好きな……彼氏に。





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