サイコーに幸せなお姫様。



「だって俺の前だけは違うなおを見せてって言ったのは俺だし。そんななおにしたのは俺だから……」



そう言って私の右頬に触れて吸い込まれるように自然とキスをしてきてくれた。



……そんな考え方もありか。確かに二人っきりになっても私は全く変わらない時もあるし。



ツッチーの作り出す雰囲気にのまれて変わっちゃう瞬間がツッチーにしか見せないもう一人の私。



「……そんな言葉にひとくくりにされないのがなおだよ。一般的にそんなふうに見られてもツンツンしているのは正義感からでデレデレしてるのは俺に魔法をかけられているから……」


「魔法……?」


「いつも綺麗だけど素直なかわいい姫に変わる瞬間……」



うっ……またそんなドキドキさせちゃう言葉……



いつもなら笑い飛ばしてやるのにそんなことできないこの空気は何なの?



これが魔法にかけられているってこと?



ああ……以前の恋愛をしたことのない私だったらバカにしていたかもしれないけど



実際そうなんだよね……



変わっちゃうんだよ……本当に魔法にかけられたように……



私は変わっちゃう。





< 77 / 202 >

この作品をシェア

pagetop