秘めた想いが溢れ出して
「あ、そうだ。友香(ともか)!」
「なに?」
隣の輪の中から突如名前を呼ばれて。
ふいっと振り返りつつ、自分を呼んだ真吾を見る。
「今日も昨日の続きする?」
「うん、する!」
「了解」
そんな短い会話でそれぞれが元の会話の輪に戻っていくのも、極々ありふれた日常のそれでしかない。
普通の男女の会話ならば色っぽいことも想像してしまいそうだけど、真吾とあたしにとっては、同性同士の気安さしかないと、周りの全てが認識しているせいで、誰もこの会話に反応を示してこなかった。