秘めた想いが溢れ出して
彼女いねぇんだから付き合っちゃえよー、と無責任な声があちこちから上がって。
女の子が、真吾先輩絶対に損はさせませんよ?なんて言うからまた場が盛り上がっている。
あっちの遣り取りを聞きたくなくて、こっちはこっちで盛り上がろうとしているあたしの耳に、でも俺、お前に惚れてねぇしな、なんていう、場に不釣合いな程に真面目なトーンの、真吾の声が聞こえてきた。
僅かにホッとした胸のうちを自覚する間もなく、付き合っていくうちに好きになるかもしれないじゃないですかー、自信もありますし、って返す後輩のアグレッシブさを尊敬してしまいそうになった。